社内改革を進め、事業のスタートラインへ。若手4代目社長就任で高まる士気。

中山精工株式会社
取締役製造部長 吉村 節 氏

2023.02.27

RAJC Report 編集部

大阪府に本社を持つ中山精工株式会社は、鳥取県中部に3拠点とフィリピン工場を持つ。エアコン・カーエアコン用コンプレッサー、 HDD用超精密モータ、産業用サーボモータなどシャフト製造に特化し、月間168万本を生産。国内大手電機メーカーや自動車メーカーに製品を納めている。従来から省人化を進めており、2020年、土井義和4代目社長に世代交代してからは生産管理にも力を入れ、効率を上げて業績が向上。新ビジネスも見据えて組織改革に取り組んでいる。

本記事は、新社長就任で新しい風が吹く組織をさらに強化して人材育成を図り、労働環境もより改善を進めて一層の飛躍を目指す鳥取拠点の取組を紹介する。

企業データ

中山精工株式会社

モーターや駆動のシャフトを主に製造。自動化・省人化設備のワンストップサービスも始動予定。

住所:鳥取県倉吉市大原字山ノ下665-1
電話:0858-22-1451

講座受講で次世代リーダーを育成。各部門のマネジメント力を上げ、収益増加を目指す

中山精工では、国内社員75人のうち、およそ9割が鳥取県の工場に勤務している。組織内には8つの部門があるが、管理職者の兼務が多いのが現状だ。また、課長級以下の管理職候補者が育っていないのも課題だった。 取締役製造部長の吉村節氏はRAJCの管理者育成講座、中堅リーダー育成講座などを活用し、数人の従業員が参加した。個々のスキルアップを図って管理職の層を厚くし、将来それぞれの部門ごとにマネジメントを行って売上増加に繋げたい考えだ。

吉村氏:社長が若いので、新しいことに挑戦する上で講座を受けた人が感化され、刺激を受けて一緒に会社のさまざまなことを変えて、さらに良い会社にしたいと考えています。

意見が出やすく風通しが良好に 社長の還元意識も意欲向上を後押し

講座を受講してから、吉村氏は社内の雰囲気が変わったのを感じるという。従来の会社のやり方に対し、「もっとこうした方が良いのでは」と意見がよく聞かれるようになった。各部門内でも改善案や要望が増えた。

吉村氏:意見が言いやすくなって、風通しが良くなったと思います。受講していない社員も含め、会社を良くしようという意識を感じます。

以前は「言われたとおりにすれば良い」という空気だったという。社長交代後、会社が進化しようとしているのが社員にも伝わっているようだ。

吉村氏:今後も受講者を増やしたい。何をどうすれば良くなるかを自分たちで考えて、会社のために尽力する人材になってほしいですね。

新社長は社員への還元意識が強く、生産性向上で上がった収益を賞与に反映。社員は頑張った分だけ報われる実感が得られ、日々の改善にもますます意欲を高めている。

合理化を自分で考える意識を育て、労働環境を改善して企業イメージをアップ

労働環境を整えて社員の働きやすさを向上させ、また求職者に選ばれる企業になるためにも、中山精工は環境改善に取り組んでいる。ただ指示に従って動けば良いと考える従来の考え方を是正し、就業時間に効率よく働けるよう適切な時間管理を徹底する。

吉村氏:たとえば慣例だった始業時刻前のラジオ体操を廃止しました。やはりきちんと基準に従って作業しようと。工場の近隣やこれから入社する人たちに、中山精工がいい会社、ホワイト企業であるとご理解いただきたいのです。

作業動線や機械のレイアウト変更などあらゆる場面で無駄を省き、社員一人一人が合理的な生産を考えて行動してほしいと吉村氏は願う。セミナー受講はその意識改革にも有効だと考える。工程管理のDX化も検討中。より早く、1つでも多く、そしてより楽に。社員たちは心を一つにして進み始めている。

社内製造の自動化・省人化システムを商品化。従業員の負担を減らし、誰もが幸せになれる会社へ

中山精工は社内製造の生産ロボットによってコスト削減と省人化を実現してきた。今後、それら自動生産ロボットの商品化を考えている。

吉村氏:当社のものづくりの技術、製造設備をどう商品にできるか挑戦しています。「AIを活用したマーケティング戦略講座」も受講しました。SNSは誰もが使っているので上手な売り方に利用したいと思います。

あらゆる製造現場にカスタマイズした開発設計、製造、設置、メンテナンスまでを想定し、現在、食品メーカーとプロジェクトを進めている。従業員の負担軽減も推進し、誰もが幸せになれる会社へ、新社長と社員が一体となって突き進む。


SEMINAR

セミナー紹介

■中山精工株式会社の場合

中堅リーダー育成講座を受講。次世代を担う、リーダーを育成する

中堅リーダー育成講座

事業者が抱える共通課題である良質で安定した正規雇用の創出や着実な職場定着を目指すために必要とされる階層別人材育成に視点を置き、その中でもより急務となっている中堅リーダーを育成することを目的とします。

リーダーシップや業務達成マネジメント、問題解決やコミュニケーション能力など、講座を通じてプレイヤーから監督職としての指導力を向上させます。

対象者:
自動車関連、情報関連、観光、食、医療・ヘルスケア分野などの事業者の中堅リーダー(管理職未満の主任・係長級などの非管理職リーダー)


VOICE

働く人の声

雰囲気の良さが就職の決め手。優しい指導でスキルアップ!

品質保証担当 澤田 萌絵さん

ものづくりが好きで、高校も実業高校でした。地域に貢献したくて地元就職を考えました。多くの企業を見学した中で、中山精工はとても雰囲気が良いと感じて決めました。入社以来4年間、品質管理に携わっています。製品が規格内に収まっているか検査し、不良品の出荷を防ぎ、現場に結果を伝えてともに品質向上を図ります。当初はわからないことばかりでしたが、先輩方がその都度優しく教えてくださいました。少しずつ一人でできることが増え、やりがいを感じています。 いま社内では改革が進み、より働きやすい会社になるのを期待しています。まずは目標である地域貢献のためにしっかり働き、仕事もプライベートも充実させたいです。

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