職員への信頼を基盤に、ソフト・ハード両面で働きやすい職場を醸成

社会福祉法人 赤碕福祉会
施設長 入江 祐子 氏

2020.12.14

RAJC Report 編集部

赤碕福祉会は、旧赤碕町を中心に居宅介護事業所、認知症対応型共同生活事業、訪問介護など8施設10部門を運営している。「報恩感謝」「奉仕精神」を理念とし、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、約140人のスタッフが、利用者と家族を支えている。
平成3年7月の法人設立以来健全経営を保ち、待遇や福利厚生など職員の期待に応えられる法人づくりに努めると同時に、地元小中学生との交流などを通して介護職のイメージ改善にも力を注いでいる。

本記事では、円滑な運営に定評のある赤碕福祉会がさらなる組織強化と環境改善につとめ、将来にわたり地域福祉を支えようとスタッフ一丸となって尽力する様子を伝える。

企業データ

社会福祉法人 赤碕福祉会

旧赤碕町内の高齢者、障がい者を中心に福祉事業を展開。利用者満足度、従業員満足度ともに高水準を維持している。

住所:東伯郡琴浦町赤碕1061-3
電話:0858-55-2051

現場をマネジメントする中堅リーダーを重点的に育成
信頼関係が研修の成果を最大限に引き出す

チームワークとコミュニケーションは、安全に楽しく働くための要だ。その重要性を認識する赤碕福祉会は、かねてより人材育成に力を注いできた。

入江氏:法人が地域に認められ、ずっと長くご利用いただくためには、組織力の強化が重要と考えています。そのために中堅リーダー、管理職を育成して力をつけようとしています。

昨年はRAJCの中堅リーダー育成講座に4人が参加し、「自分が持つべき心構えがわかった」など成長が窺われた。法人独自でもコーチング研修を行うなど、たゆみない努力を続けている。
また、人事考課も人材育成の一環と捉え、考課者研修も積極的に取り入れて、意義と目的を都度確認し、考課者と職員の関係性を深めている。

入江氏:現場は、係長、主任クラスの職員がマネジメントしています。リーダーがしっかりしていないと職員が迷ってしまう。ですから、まず中堅をを育てたいのです。

そのような教育の成果は、離職率の低さ、穏やかな日常に表れている。どの事業においても、大きなトラブルは起きず、誰もが協力し合う姿が見られる。中堅リーダーがコミュニケーション力をつけて、スタッフ一人ひとりに向き合い寄り添っている結果だと入江施設長は感じている。

一番は、職員を信じること。信頼関係が円満な職場へ導く

入江氏:本や研修に知識をいただきますが、一番は職員を信じることだと思っています。疑いの目は何もいいものを生まず、心の距離ができてしまう。それぞれの中にあるいいものを認め合う姿勢が、職場を穏やかにすると思います。

人を信じるという頑丈な土台の上に、研修などで知識や技術を積み上げる。強固な絆と組織力が、着実に築かれてゆく。

ノーリフトケアで職員も利用者も身体負担を軽減。
現場環境改善と同時に推進し、定着率抜群!

職員の身体負担を軽減するため、赤碕福祉会はノーリフトケアを開始した。現在はスライドボードやシートなどを用いて力を入れずに移乗できる手法を法人内に広げている。

入江氏:従来のやり方と変わるので、定着しにくい面もあります。私たちは推進チームを立ち上げ、目的と定着法を徹底しました。

多くのスタッフが「楽になった」と取り組みを評価し、利用者にも好評だ。今後新たな介護用具を可能な範囲で導入し、利用者の尊厳を保ちつつ現場の負担軽減を進める。
定着推進に並行して、身体負担に関するアンケートを全職員に実施した。新しいケアを提案するだけでなく、現場の改善とともに進めたのが、ノーリフトケア定着に繋がったと入江氏は考える。この取り組みを外部に広く伝えれば、施設、職場の魅力をいっそう感じてもらえるだろう。

地域に喜んでもらえるサービスを続けるために、チームワークの良い魅力的な職場を維持する

法人設立から約30年。入江氏の目は、先の10年、50年を見ている。

入江氏:私たちはここで、数十年後もずっと高齢者、障がい者支援を続けて行きます。その意義をしっかり感じて、より良いサービスを提供していきたい。終の棲家でもあるので、「ここで暮らして良かった」と感じていただけるようにといつも願っています。

そのためにチームワーク、何でも話し合える雰囲気、思いやりのある職場への意識を保ち続けている。職員たちは利用者から多くを学び、互いに支え合うチームのなかで成長し、魅力的な職場の空気を赤碕福祉会の伝統として未来へ受け継いでゆく。

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